2018年火星大接近画像処理手順

8月24日FBグループの方から火星の画像処理方法について質問がありました。
自分の実践している方法について自分のための備忘録もかねて(最近自分の頭のメモリがガタ減りなんで、、(笑)、)このBlogに紹介します。(全部書き切るのは結構草稿がいるので、記載は自分なり思いつくまま、また手法は色々聞きかじった自己流ですので念頭に置いてください)。
今回使用しているのはC8, Asi120Mc, x2.5バロー、AVI:Aug22 ,23h24m です。またADCは使用していません。

1)画像の取り込みFire Capture 2.6 を使っています。
FireCapture v2.6  Settings→ AutoAlign ONです。
Camera=ZWO ASI120MCFilter=G, CM=48.2°  (during mid of capture)
FocalLength=4850mm(x2.5 Barow ),Date=220818 Start=232315.660
Mid=232415.665 ,Duration=120.011s Frames captured=5324
File type=AVI, ROI=480x480 ROI(Offset)=390x268 FPS (avg.)=44 Shutter=8.457ms
Gain=61 (61%) AutoHisto=75 (off)SoftwareGain=10 (off)Brightness=0 ,WRed=52 ,Gamma=0
USBTraffic=80,WBlue=95,AutoExposure=off
Histogramm=17%, Limit=120 Seconds, Sensor temperature=35.7°C
コメント)自分が重要と思っているパラメータを掲載しています。Histogramは50%以上がよいようですが、何故か私は低めで結果が良い気がしています。

2)画像処理プロセス
私は惑星、月に関しては AS!3(Image Stabilize Stack),→Registax5.1(wavelet)→コメントをPaint-Netで記入です。
まずAS!3ですが下のPICTでファイルを読み込んで①のAnalyzeに行きますが画像が暗いため一旦AnalyzeをかけてQualityグラフを見ます。②グラフ上をポイントしていくと右のAP(Anchor Point?AlignPonit?)側のWindowに何枚目の画像を見ているか(右の火星画像の上の②)がわかります。私はQualityグラフの変動の一定している範囲を選びます。左側②Limit Frameです。今回は1990から4200 Frameを指定しています(画像が安定しているように見えます)。その後③がPlanet,④がLocalAPを確かめて⑤1990から4200Frameのうち2000フレームを選びます。その後Applyキーを押し、もう1度Analyze(①)をおします。結果はもうひとつ下のQualityGraphに指定のRangeのグラフに見て取れます。(Aug28付記)私は%よりFrame数でStackしています。

さて、下のPictです。スタック②に入る前に以下右のWindowで①の設定です。Place AP Point(MultiScaleを使います。)をやって青いBoxが火星をカバーできればStack準備完了なんですが、画像が暗いとBoxが一部になりますので、そのままスタックしたければManualでBoxを足します。あるいは画像の位置(Frameのスライド・バー)を動かしAPのカバレージをあげます。(暗い場合あまりスタックの結果は期待できないこともあります)。
さらに③のSharpは忘れないでください。④のRBGは効果は定かではありません。
これでStack②ボタンを押してしばらく待ちます。スタック・ボタンの左のバーが100%になればAS!3はひとまず終了です。


次にRegistax5.1(Rx51)に行きます。Frame2000のフォルダーにあるConvの名前の付いた方の画像を選んでR51に呼び込みます。TiffファイルなんでRx51から画像の処理をしたいだけね、と聞いてきますのでYESです。下のPICTの①がConvファイルです。その後②Dyadic ③WaveletLevelをいじりますが3:1,4:1のみです。 とくにこのLevelをきつくやるとジャガイモになります。

Waveletをいじっていくと火星の模様のコントラストが変化します①。ここの量は好みだと思います。やらないという選択もあると思います。WaveletをいじったらDoAllを必ず書けます。その後Contrastに移動してください。③です、ここを明るくするとその後のRGB Adjustで色が飛んでしまいます。難しくないのでいろいろトライしてください。今のこの状態で画像の保存をしてもOK。

自分は虹が出るのでRGB補正をかけます、が、これは画像は改善しないと思います。
ADCを使用すると明らかに補正をすると詳細が出てくるため、本来ならADCをCaptureする前に調整するのが良いと思います。以下の画像の火星のヘリを消したつもりです(矢印)。

以上ここまでが私のProcessですが、Rx51はTiffをDrizzlingできます。(Rx6はうまくいかないです。)これは画像サイズを変更できるので便利です。50%=2倍でつかっていますが、AS3にもこの機能があります。私は使用していないのでコメントできません。Rx51ですと元サイズと2倍が容易に比較できます。これまたバローを使うなどがあるのですがC8ですと2.5倍(Meadeのおまけバロー)を使いますが良し悪しコメントできるデータは今のところありません。以上元サイズでの処理を紹介します。

(付記:Aug28,2018)
Registax6.1(Rx61)のWavelet 処理を以下に置きます。Wavlet のSchemeとFilterの位置がRx51とは変わっているのと FilterのDefaultの感度が上がっているように思います。Wavelet Filterのセットアップは同じにしています(⑥黒)
調整のポイントは①-⑤です。


 (付記:Sep11,2018)
RGB の調整について、補足します。Windowのなかの下方にEstimateボタンがあります。
このボタンでRGBをRxがちょうせいしてくれます。以下金星の例です。大気収差がでやすいのできれいに調整できます。


コメント