木星の撮影1

5月18日の空は安定していました。
気流の変化が少なくて木星の撮影には向いている天候です。
今までの経験値でいうと天候が崩れていく直前の気流が撮影には良いです。
寒冷前線通過後はひどいもので惑星の画像は激しく伸び縮み、その周波数
も高いのですが、昨晩は縞模様の間隔の伸び縮みがまぁまぁ安定しているという状況です。
長い間木星撮影では縞は2本しか写らないと思っていましたが、大抵は気流が悪かったのが原因で画像処理は次のようです。最近の撮影では縞の本数が少しは増えています。


写真は上が南です、回転方向は右から左、大赤班は右上から左へ回っていきます。この時間帯〔19:17〕にはまだ現れません。南側の縞に白斑が撮れている=気流が良いということです。
Scopeは4インチのマクストフ、カメラはASi120Mc(カラー)+ x2バロー Vixen SP-EQに載せて追尾です。撮影はFireCature2.5で画像処理がAS!3-RegStax5.1です。
4インチの場合光量は不足気味でシャッター52mSec、ゲイン66と大きめになっています。シャッターは10mSec以下で設定し枚数を確保したいのですが、高度、靄などに
左右されます。今回は気流が安定していたのでシャッターは遅くできました。
マクストフは中心画像が良いといわれていますが、自分の4インチはセレストロンのNex4GTがら鏡筒をおろして赤道儀に載せ撮影時の操作を簡単にして撮影しています。使ってみると4インチ小口径としてはかなり良い(C8やらFC100、ミューロン180を比較の対象にしています)というのが感想です。30cm程度の大口径は魅力を感じますが実践されている方は使いこなすのに様々なノウハウを注ぎ込んでいて自分はその領域に全然達していません。 小型のScope故ベランダで夕方Scopeをオキッパにして数時間後。やおら
ら撮り出すというプロセスです。マクストフはf値もシュミカセに比べてもちょっと大きくなるので惑星向きだと思っています。
C-MOSのカメラですが、ASi120McはQYH5LIIのモノと同じセンサーサイズなのでLRGBを試すのに都合が良いかなと思っているのですが、RGB合成までなかなか進めず。(そのうちブログに掲載します)
今夜の木星に戻ります。2時間後もう1枚ショットしました。
まだまだ気流的にはいけそうなんですがこの時期23:57では木星はかなり西に傾き始めています。撮影条件はほぼ同じですが光量は不足気味で画像は荒れてきています。
自分なりの画像処理の工夫は3つあります。
1)スタックはAS!3かAS!2、これは処理速度が速いためです。画像が飛んだり
  スタックがうまくいかない際はRegiStax5.1を使います。これは時間かかります。
  画像サイズによっては処理をRejectされることもあります。
  PCの環境(メモリサイズ、処理速度)にも影響を受けますね。
2)Wavelet処理はRegiStax5.1です。Softな仕上がりになるように気をつけています。
  この辺は個人の趣味もあると思います。
3)RegiStax5.1を使うのは仕上げ画像をもう一回Drizzlingできるからです。これで
  2倍の画像に引き伸ばしてWaveletします。この方法はなぜかRegiStax6ではでき
  ないのです。Drizzlingは画像のSoft化に貢献します。
  AS!2,3にもDrizzlinggはある 
  のですがいまのところ効果が把握できません。

ということで木星の撮影についての概観を今回はやりました。それぞれの考察は次回以降です。(つづく)

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